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ウィーン・フォルクスオーパー 2008年日本公演 ヨハン・シュトラウス作曲『こうもり』 3幕のオペレッタ 5月27日(火) 18:30開演 / 東京文化会館 指揮: レオポルト・ハーガー 演出: ハインツ・ツェドニク 舞台装置: パンテリス・デッシラス 衣裳: ドリス・エングル (エヴェリン・フランクのオリジナルに基づく) 振付: リリ・クレメンテ、スザンネ・キルンバウアー 合唱指揮: ミヒャエル・トマシェック ロザリンデ: ナンシー・グスタフソン アデーレ: ダニエラ・ファリー イーダ: マルティナ・ドラーク オルロフスキー公爵: ヨッヘン・コワルスキー アイゼンシュタイン: ディートマール・ケルシュバウム ファルケ博士: ミリェンコ・トゥルク アルフレート: ルネ・コロ イワン: ステファン・タンツァー フランク: カルロ・ハルトマン フロッシュ: ハインツ・ツェドニク ブリント博士: ゲルノート・クランナー ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 ウィーン・フォルクスオーパー合唱団 ウィーン国立歌劇場およびフォルクスオーパー・バレエ団 またまた,ある方からチケットを譲っていただいた。 フォルクスオーパーもシュターツオーパーも,現地で見る方が安いし会場も小さい。 だから,引っ越し公演のたぐいはあんまり買わない。特に今年はウィーンでげっぷが出るほど国立歌劇場に通ったし。 ただ,今度の旅ではフォルクスオーパーに全然行っていなかったのと,久々に豪華キャストの「こうもり」がみたい(もっと絞ると,ヨッヘン・コワルスキーのオルロフスキーをきいてみたい)という気持ちもあって,譲っていただくことにした。 その結果。 一言で言って,なんつーか,もう,最高。 ともかく,この2行につきる。 Gluecklich ist, wer vergiszt, Was doch nicht zu aendern ist! 指揮はレオポルド・ハーガー。たまたまウィーン初巡礼での最初の演奏会の指揮者(ウィーン交響楽団)がこの人だった。そんなにオペレッタを振っているのを見たことはなかったが,なかなかそつのない指揮。 歌手陣は,特にアルフレードを歌ったルネ・コロや,フロッシュを演じたツェドニクがいい味を出していた。第3幕の頭の方で,アイゼンシュタインの代わりに牢屋に入れられたアルフレードが,必ずと言っていいほど,牢屋でいろんなアリアを歌って,フロッシュが「うるさい!」とかんしゃくを起こすのだが,今回はなんとローエングリン(笑)。最初に「僕の小鳩よ」と歌った後に「白鳥がどうしたこうした」とくると,ツェドニックが「おまえは小鳥屋か」と突っ込んだり,「尋ねるな」と歌うと「何もきいちゃいねぇよ」という。 演出はツェドニクによる古典的なもので,どの幕も古き良きウィーンという感じ。第3幕などは口に含んだ水をブーっと吹くという古典芸(笑)も見せてもらったし,カレンダーの31日をめくると32日だったり,壁に帽子をたたきつけると,最後はくっついてしまったりとおなじみのギャグ満載。 フォルクスオーパーの現地の公演では,99年に新演出になって,夜会の場が現代的なコンドミニアムのようになっていたから,この古典的演出は日本だから見られたと言うことであろうか。いずれにせよ,私は珍奇な演出は見たくないので,非常によかった。 ヨッヘン・コワルスキーは,だいぶ齢を重ねたが,まだあの不思議な魅力を携えている。今日はあまり彼のことを知らずにきた人もいたようで,急にカウンター・テノールで歌い出したら,一瞬どよめきが起こった。あと,彼が出てきたら拍手が起きたが,そういう変な習慣は新宿コマ劇場とメトだけにしてほしいものだ。 まぁ,あとはあまり四の五の言うことはないし,そういう演目でもない。 第2幕の宴のシーンは本当に楽しかった。まずはバレエが挿入されて音楽はピチカート・ポルカ。そしておなじみの「侯爵様」「ふるさとの調べは」などが次々と歌われていく。 「葡萄酒が火と燃える情熱となって」(こうもりの「乾杯の歌」と行った方がわかりやすいか)に続いて,私が一番好きなところ。「兄弟姉妹のように仲良くなろう」「ドゥイドゥ」。甘く切ない音楽で涙が出てくる。 さらに大騒ぎは続く。これはミュンヘンでもやっていたが,雷鳴と電光をつかって大騒ぎ。先だって,クライバーのDVDをちらっと見ていたが,それに匹敵するような豪華絢爛な騒ぎだった。 ま。それはそれとして,今回よかったと感じたのは,片言の日本語を持ち込んで笑いをとらなかったこと。以前は,そういう変な日本語を話すことがおもしろく感じられたのだが,そうではなく,所作と台詞(練られた字幕)が自然な笑いを生み出していた。 最後は,「すべてシャンパンの泡のいたずらね」で大団円。22時15分くらいまでかかったが,あっという間に感じた。ほんと,あの2行につきる。 第2幕の後の休憩で,妙にシャンパンが売れていたように感じたが(笑)。うまい噺家が高座でそばを食う仕草をすると,帰りに近くのそば屋が満員になったが,それと似たようなものか。 それにしても,ブリント博士ってのは,ずいぶんとひどい役回りだこと。 |
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